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07 . October
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13 . April
現在でこそ、同性愛はマイノリティーな性癖として考えられているが、あの頃はそうでもなかった。





ましてや忍術学園なんてあの多感な時期に男だけで生活していた訳だし、身近な女、といったらこまっしゃくれたあのくノ一達だけだったもんだから。
ぶっちゃけファーストキスや初セックスの相手が男だったなんて周りにはごろごろいた。
そんな訳もあって、俺らは周りにあっさりと恋人同士として認められた。子ども同士の恋愛とも思うだろう。けど、俺らが生きていたのは戦国の室町で、俺らがいたのは忍びを教える学園だった。今よりもずっとずっと死が身近にあったから、今よりずっと、必死に生きていた。恋をすることも。

俺と滝夜叉丸が初めてセックスしたのは、初めてキスした時から半年あたりたった、底冷えのする寒い夜のことだった。
俺としてはもっと早く致したかったのだが、彼の当時の同室の男というのが、…それはもう滝夜叉丸に過保護で小姑で、なので俺のことをひどく嫌っていたものだからなかなか二人で夜を過ごせる、ということがなかったのだ。
だがその晩、そのルームメイト、綾部センパイに急遽泊まりのおつかいが入ったらしい。俺に対する対抗策も間に合わないくらいの「急遽」だったらしく、俺は小躍りして喜んだ。滝夜叉丸も、彼には珍しく控えめにはにかんで、「来るか?」という大変可愛らしいお誘いをした。つまり俺らは二人とも「その気」になっていたのだ。これで何もなかったら詐欺だ。

風呂に入った後、初めて寝間着で彼の部屋に訪れた。
ふわりとかおる、香の匂い。滝夜叉丸らしい綺麗に整頓された部屋だ。俺はその頃左門と作兵衛と同室で、そっちは見事に「男子の部屋」という装丁だったので、このいい匂いの部屋に入るだけでドキドキと緊張した。
敷かれた布団に座って、髪をとく滝夜叉丸を眺めた。男のくせにマメなこと、昔も思ったし今も思うが、俺はその素晴らしく良い手触りを知ってしまっていたので大人しくその姿を見ていた。

本当に美しい顔だと思う。艶やかな黒髪に、はっきりと整った目鼻、バランスの良い口元。黙っていれば公家のお姫さんみたいな顔立ちをしている。…口を開くとあれだけど。
だけどあの性格が、そして自信を裏付ける努力が、それをなくして俺は彼を好きになんてならなかっただろう。
しかし、こんな凡庸な俺をよく好きになってくれたもんだ。別にこれといっていい顔だなんて思ったことはないけど、…まあ一度ぐらいならあるかもしれないんだけど、彼がこの顔を好きだと言って誉めてくれるからそれはそれでいいと思うことにしよう。こんな顔に作ってくれた親父をおふくろに感謝しなければ。
なんて一人で考えてたら、不意に頬を突かれた。いつの間にか滝夜叉丸が近くまで来ている。
「なに変な顔しているんだ」
なんて笑っているから、俺もつられて笑う。愛しい人が笑うと俺は幸せな気持ちになれる。彼もそうだといい。
「別に、あんたのこと考えてただけ」
「あんたと言うなと、何回言えば治るんだろうな」
「治す気もないけど、一生言ってくれれば治ることもあるかもね」
精一杯のプロポーズのつもりだった。末永く、共に生きたいという。
離す気もないように、彼の身体を抱き込む。
「一生言い続けなければならないのか…」
はあと漏れる溜息。
「あれ、天下の滝夜叉丸先輩も出来ない?」
「ばか、望む所だ」
こつりと額を合わせて、キスをした。
そのままゆっくりと体重をかけて押し倒し、布団の上に寝かせる。
熱い吐息がもれた。


……悪いけどここまで。
あんな可愛い滝夜叉丸を、俺の口からでも誰かに話すなんてもったいなさ過ぎて出来ない。
まあ、これでとうとう俺らは身も心も一つになったってわけ。

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